各クラス、少しずつリレーの取り組みが盛り上がってきました。
自主活動の時間もクラス入り乱れて楽しく、そして一生懸命に走る姿が見られます。

『遊び』としてリレーを走るのも好きだけど、みんなが楽しみにしているのは3クラスで対決する事。リレーを走る前後には、お互いをたたえ合い、どうしたらみんなが目指している『1位』になれるのか………『作戦会議』という話し合いを行っています。

1位になったら光り輝くトロフィーがもらえます!…が、すぎ組はまだ1度も1位になったことがないのです…

この日も対決前に欠席者の分を走る『2度走り』を決める話し合いをしていた子どもたち。「やりたい人!」「速い人に走ってもらおうよ!」
数人挙手した中から「じゃあA君が速いしA君にしようか!」と決まりかけていました。

基本的には、話し合いは子どもたちが中心となり担任は見守っているのですが、この日は担任が口を挟ませてもらいました。

「先生はG君に走ってもらいたいと思う。」

この日、G君は2度走りに立候補はしていませんでした。そして『足がとっても速い』わけでもないかもしれない。でも、誰よりも何周も何周も園庭を走って練習している姿がありました。

逆にA君は速いかもしれないけど、練習にはあまり参加せず……

もちろん、1位を目指したいという子どもたちの気持ちも素晴らしいし、応援したいと思っています。

けれど、この柏幼稚園のリレー、クラスみんなで走る事の意味と、走ることで大切にしたいことは何かを考えた時、勝つこと、順位にこだわることが最優先ではないと思っています。

担任の思いを伝えると子どもたちも真剣に耳を傾けてくれました。すると「そうだよね!いつもすごい頑張って、何回も走ってるもんね!」という声も上がり、G君の姿を仲間がちゃんと見ていたこともわかりました。

G君もみんなに認められてうれしいし、2度走りもきっとやってみたかったのでしょう。照れながらも引き受けてくれました。

色々な評価方法、価値観があるなかで『一生懸命に頑張っていたら報われる、誰かがちゃんと見ていて認められる』そして、『努力せずに得ることより、努力して勝ち取る意義や達成感』をすぎ組のみんなには伝えたいし、伝わってほしいなあと思う担任の呟きです。